2026/09/06 15:28
「フレンチプレスでコーヒーを淹れてみたい」
「ペーパードリップとは何が違うの?」
「フレンチプレスに合うコーヒー豆を知りたい」
そんな人におすすめなのが、フレンチプレスです。
フレンチプレスは、コーヒー粉とお湯を器具の中で一定時間浸して抽出する方法です。
ペーパードリップのように細かな注湯技術を必要としにくく、基本の分量と時間を守れば、比較的安定した味わいを楽しめます。
また、金属製のフィルターを使うため、ペーパーフィルターでは取り除かれやすいコーヒーオイルも一緒に抽出されます。
そのため、コーヒー豆の香りやコク、ボディ感をしっかり楽しみたい人に向いています。
この記事では、フレンチプレスの特徴から基本的な淹れ方、味の調整方法、豆の選び方まで詳しく解説します。

フレンチプレスとは?
フレンチプレスは、筒状のポットにコーヒー粉とお湯を入れ、一定時間抽出した後、金属製のフィルターを押し下げてコーヒーを取り出す器具です。
日本では紅茶用の器具として見かけることもありますが、もともとはコーヒーを抽出するための器具として使われてきました。
英語圏では「コーヒープレス」「コーヒープランジャー」などと呼ばれることもあります。
フレンチプレスの大きな特徴は、コーヒー粉をお湯に浸して抽出することです。
ペーパードリップのように、お湯がコーヒー粉を通り抜けながら抽出する方法とは仕組みが異なります。
この違いによって、同じコーヒー豆でも味わいの印象が変わります。
フレンチプレスの味わいの特徴
フレンチプレスで淹れたコーヒーには、次のような特徴があります。
コーヒーオイルを感じやすい
コクが出やすい
豆本来の風味を感じやすい
なめらかで厚みのある口当たりになりやすい
微粉が少しカップに入る
ペーパーフィルターはコーヒーの油分や微粉をある程度取り除きます。
一方、フレンチプレスの金属フィルターはペーパーフィルターほど細かくないため、コーヒーオイルや微粉がカップに入りやすくなります。
これが、フレンチプレス特有の「コク」や「厚み」につながります。
そのため、
すっきり透明感のあるコーヒー
よりも、
香りやコクをしっかり感じるコーヒー
が好きな人に向いています。
フレンチプレスとペーパードリップの違い
フレンチプレスとペーパードリップは、どちらも家庭で使いやすい抽出方法ですが、味わいには違いがあります。
| 比較項目 | フレンチプレス | ペーパードリップ |
|---|---|---|
| 抽出方法 | お湯に浸して抽出 | お湯を粉に通して抽出 |
| フィルター | 金属製 | 紙製 |
| コーヒーオイル | 残りやすい | 取り除かれやすい |
| 口当たり | コク・厚みが出やすい | すっきりしやすい |
| 微粉 | 入りやすい | 比較的少ない |
| 注湯技術 | 影響を受けにくい | 注ぎ方の影響を受けやすい |
| 豆の個性 | 感じやすい | 香りや酸味をクリアに感じやすい |
どちらが優れているというものではありません。
すっきりした味ならペーパードリップ、コクやボディ感ならフレンチプレス
というように、好みに合わせて使い分けるとよいでしょう。
フレンチプレスに必要なもの
基本的には、次のものがあれば始められます。
フレンチプレス
コーヒー豆
コーヒーミル
ケトル
コーヒーカップ
あると便利なのは、
デジタルスケール
タイマー
温度計
です。
特にスケールとタイマーがあると、抽出条件を再現しやすくなります。
フレンチプレスは「お湯を入れて待つだけ」と思われがちですが、粉の量や湯量、挽き目、抽出時間を記録すると、自分好みのレシピを作りやすくなります。
フレンチプレスの基本レシピ
まずは、次の条件を基本にしてみましょう。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| コーヒー豆 | 10〜12g |
| お湯 | 約160ml |
| 挽き目 | 中挽き程度 |
| 湯温 | 90〜96℃程度 |
| 抽出時間 | 4分程度 |
UCCでは、1杯分あたりコーヒー10〜12g、お湯160ml程度、中細挽きから粗挽き、湯温92〜96℃、約4分の抽出を基本として紹介しています。キーコーヒーでは10gに140ml、3分というレシピも紹介されており、メーカーによって基準は異なります。
つまり、「フレンチプレスは必ずこの数字」という絶対的なレシピがあるわけではありません。
まず一つのレシピを基準にして、そこから自分の好みに調整していけば十分です。
フレンチプレスの淹れ方
1. 器具とカップを温める
最初にフレンチプレスとカップをお湯で温めておきます。
冷たいガラス容器に熱いお湯を入れると、抽出中に温度が下がりやすくなります。
あらかじめ温めておくことで、抽出したコーヒーを適温で楽しみやすくなります。
2. コーヒー豆を挽く
フレンチプレスでは、中挽き程度を基本にします。
一般的に、フレンチプレスはペーパードリップより粗めの挽き目が向いています。キーコーヒーでもフレンチプレスには中挽きが適していると紹介されています。
あまり細かく挽きすぎると、微粉がフィルターを通りやすくなり、カップの中に粉っぽさが強く出ることがあります。
3. コーヒー粉を入れる
1杯分なら10〜12g程度を目安にします。
複数杯淹れる場合は、杯数に合わせて粉とお湯を増やします。
できれば、豆は淹れる直前に挽きましょう。
コーヒーは粉にすると空気に触れる表面積が増えるため、香りを楽しむという意味でも、挽きたての粉を使うメリットがあります。
4. お湯を注ぐ
90〜96℃程度のお湯をコーヒー粉全体に注ぎます。
ポイントは、粉全体をしっかりお湯になじませることです。
乾いた粉が残っていると、均一な抽出になりにくくなります。
フレンチプレスはペーパードリップのように細い円を描いて慎重に注ぐ必要はありません。
コーヒー粉全体にお湯が行き渡るように注ぎましょう。
5. フタをして抽出する
お湯を注いだらフタをします。
このとき、金属フィルターはまだ下げません。
そのまま一定時間待ちます。
基本レシピでは4分程度を目安にします。
フレンチプレスの大きなメリットは、この「待つ時間」です。
ペーパードリップのように、抽出中ずっとお湯を注ぎ続ける必要がありません。
6. フィルターをゆっくり押し下げる
時間になったら、金属フィルターをゆっくり押し下げます。
急激に押す必要はありません。
ゆっくりと一定の力で押すことを意識しましょう。
器具によってフィルターが下がる位置や構造が異なるため、使用しているフレンチプレスの説明書も確認してください。
7. カップに注ぐ
抽出が終わったら、カップに注いで完成です。
底に近い部分には微粉が溜まりやすいため、最後の一滴まで無理に注ぎ切らなくても構いません。
微粉もフレンチプレスの特徴の一つです。
「粉っぽさが苦手」という場合は、最後の少量を残すだけでも飲み口が変わります。
フレンチプレスの味を調整する方法
フレンチプレスは基本的なレシピを守れば安定しやすい一方、少し条件を変えるだけで味わいを調整できます。
味が薄い・物足りない場合
まず確認したいのは、
コーヒー粉が少なくないか
お湯が多すぎないか
挽き目が粗すぎないか
お湯の温度が低すぎないか
です。
調整する場合は、まず粉の量を少し増やすか、挽き目を少し細かくする方法があります。
一度に複数の条件を変えず、1つずつ変更するのがおすすめです。
苦みや渋みが強い場合
苦みや渋みが強く感じられる場合は、
挽き目を少し粗くする
抽出時間を短くする
粉の量を調整する
などを試します。
ただし、深煎りの豆はもともと苦みやコクが出やすいので、抽出だけが原因とは限りません。
豆そのものの特徴も確認しましょう。
粉っぽさが気になる場合
フレンチプレスでは、ペーパードリップよりも微粉がカップに入りやすくなります。
気になる場合は、
挽き目を少し粗くする
最後まで注ぎ切らない
粉の量や挽き方を見直す
などを試してみましょう。
特に、コーヒーミルによっては細かい微粉が多く発生することがあります。
フレンチプレスにはどんな豆が合う?
フレンチプレスは、コーヒーの油分や風味をしっかり感じやすい抽出方法です。
そのため、次のような豆と相性がよいでしょう。
深煎りのコーヒー
深煎りの豆は苦みやコク、香ばしい風味を楽しみやすいのが特徴です。
フレンチプレスで抽出することで、さらにボディ感のあるコーヒーとして楽しめます。
ボディの強いコーヒー
もともと口当たりがしっかりしたコーヒーは、フレンチプレスとの組み合わせで個性を楽しみやすくなります。
例えば、マンデリンのようなボディ感のある豆は、フレンチプレスで試してみる価値があります。
香りの豊かなコーヒー
フレンチプレスはコーヒーの油分も抽出されやすいため、香りを重視する人にも向いています。
ただし、華やかな香りや繊細な酸味をクリアに楽しみたい場合は、ペーパードリップと飲み比べてみるのもおすすめです。
同じ豆でも抽出方法によって印象が変わるためです。
Cafe Yellow Angelのマンデリンをフレンチプレスで楽しむ
Cafe Yellow Angelで販売しているマンデリン G1は、インドネシア・スマトラ産のコーヒー豆です。
深いコクとなめらかな口当たり、豊かな香りを楽しめるタイプなので、フレンチプレスとの相性を試しやすいコーヒーです。
ペーパードリップで飲んだときと、フレンチプレスで飲んだとき。
同じ豆でも、口当たりやコクの感じ方が変わる可能性があります。
こうした「抽出方法による違い」を試すのも、コーヒーの面白さです。
フレンチプレスは初心者にもおすすめ
フレンチプレスは、コーヒーを始めたばかりの人にも使いやすい器具です。
ペーパードリップの場合は、お湯を注ぐ速度や位置、量などが味に影響します。
一方、フレンチプレスは、
粉を入れる
↓
お湯を注ぐ
↓
待つ
↓
フィルターを押す
というシンプルな工程で抽出できます。
そのため、毎回同じ条件を作りやすいのがメリットです。
「コーヒーを飲みたいけれど、ハンドドリップは難しそう」
という人が最初に試してみる方法としても向いています。
フレンチプレスのお手入れ
フレンチプレスを長く使うためには、使用後のお手入れも重要です。
特に注意したいのが、コーヒーオイルの残りです。
コーヒーオイルが器具に残ったままになると、次に淹れるコーヒーの香りや味に影響する可能性があります。
使用後は、
コーヒー粉を捨てる
ポットを洗う
フィルター部分も洗う
しっかり乾燥させる
という流れで清潔に保ちましょう。
フィルター部分は細かな構造になっているため、分解できるタイプなら定期的に分解して洗浄すると衛生的です。
キーコーヒーも、使用後はフィルター部分を含めてしっかり洗浄し、十分に乾燥させることを推奨しています。
フレンチプレスでコーヒーを楽しむコツ
フレンチプレスを使うときに覚えておきたいのは、
「正解のレシピを探す」より「自分の好きな味を探す」
ということです。
例えば、
「もう少し濃くしたい」
なら粉量を増やす。
「少し苦い」
なら挽き目を粗くしたり、抽出時間を短くする。
「香りをもっと感じたい」
なら豆そのものを変えてみる。
このように、一つずつ条件を変えていけば、自分に合ったレシピが見つかります。
コーヒーは数学のテストではないので、唯一の正解を提出する必要はありません。
まとめ
フレンチプレスは、コーヒー粉とお湯を一定時間浸して抽出する、シンプルで再現性の高い抽出方法です。
特徴をまとめると、
コーヒーオイルを感じやすい
コクのある味わいになりやすい
豆本来の風味を楽しみやすい
注湯技術に左右されにくい
初心者でも始めやすい
微粉がカップに入りやすい
というメリットがあります。
まずは、
コーヒー豆10〜12g
お湯160ml程度
中挽き程度
90〜96℃程度
抽出時間4分程度
を目安に試してみてください。
そこから豆の種類や焙煎度、挽き目、粉量、抽出時間を少しずつ変えていきます。
特に、マンデリンのようなコクやボディ感のあるコーヒーを楽しみたい人には、フレンチプレスは試してみる価値のある淹れ方です。
ペーパードリップとは違う、コーヒーの「厚み」をぜひ味わってみてください。
